J-クレジット制度・活用セミナー2021 in 仙台に参加致しました。

2021年11月26日
東北経済産業局「J-クレジット制度・活用セミナー2021 in 仙台」に参加致しました。
本年度は製造業の事例を中心に説明会を展開されるという事で、弊社での取り組みをお話させていただきました。
代表がお話させていただきましたことを要約せずにそのまま文字起こし致しました。
弊社の取り組みについてご一読いただけましたら幸いです。

只今ご紹介にあずかりました、私、斉藤商事株式会社の尾島敏也と申します。
本日は素晴らしいセミナーにお招きいただき大変光栄に存じます。
また、この東北の地で講演できることを大変うれしく思います。
会社名、斉藤商事の「斉藤」は、私の母方の姓で、秋田県湯沢市雄勝町院内に生家があります。
藤原家からの末裔で秋田杉の製材所を営んでおります。
縁があって当社の主力協力工場も湯沢市内にあり、朝晩と雄物川からの清らかなる風により、あきたこまちの美味しいお米ができ、手間暇かけて丹精こめてできる稲庭うどんの産地でもあります。
そんな縁のある東北の地で、皆さまとご対面できるのもカーボンフリーコンサルティングの池田さん、三浦さんのお陰であります。
いつもありがとうございます。

当社は創業45年、繊維製品の製造、卸、販売をしております。
取扱商品としましては、企業様向けユニフォーム・スポーツウェア・イベントグッズ・セールスプロモーショングッズから工場内で使用する産業資材まで多岐に渡ります。
必要な時に必要なアイテムを1ロットからスピーディーに心を込めてお届けする事をポリシーに、それらのすべてに関して提案・企画・デザイン・生産・在庫管理を一括で請け負っております。
お陰様で、大手企業様とも多くお取引をさせたいただいております。

さて、当社が環境問題、現在のSDGsを事業活動に直接結びつけるようになったのは、2003年頃のことでした。
当社にとって大切なお客様である本田技研工業様やブリヂストン様と継続的な信頼関係を構築していくために「ISO14001取得しよう」と考えたのです。
そして認証の取得に向けて動き出すこと、このことは取引上の優位性以上に意味のあることだと気づきました。
当時も今も、当社の従業員数は十数名。
そのような小さな会社がISO14001を取得すれば、企業規模にかかわらず「どんな会社でも環境保全に貢献できる」というメッセージになるはずだと思い取得に向け活動しました。
2005年に無事認証取得し、全社員が一丸となり環境問題に取り組むようになりました。
電力削減、コピー用紙削減、ゴミ廃棄量削減、営業車の燃費改善、荷造り運賃削減、製造ロス、サンプル削減などあらゆる脱炭素環境対策に取り組んできましたが、何か外に向かってアウトプットできるものはないかと
検討しているところ京都議定書の温室効果ガス削減に、微力ながらも取り組もうという事になりました。
そこで、環境省の政策であるカーボンニュートラルに従って定められた取り組み、カーボンオフセット制度を環境マネジメントシステムに取り上げました。
2011年東日本大震災により東北地方が大被害を受けたことにより、東北地域を特定し、環境対策と東北支援を兼ねたJ-クレジット制度を利用した、カーボンオフセット付ユニフォームを販売することにしました。
当初は、岩手県三陸沖植林に対してクレジットを行い、木が育ち、やがて森林になり雨により森林からの湧き水がやがて川となり、ミネラル豊富な水が海に流れ牡蠣の養殖にも役立ち、もちろん森林が二酸化炭素を吸ってくれると言う
かなり先の長い話ですが、埼玉の小さい会社でも何か一つでも役に立てればと言う想いで始めました。

2013年からは、カーボンオフセット付ユニフォームを標準仕様にして取り組みました。

環境マネジメントシステムのCO2無効化量の数値もここ数年で見ますと、2017年91t、2018年101t、2019年101t、2020年211tと年々目標をUPしております。
一着一着にタグ付けをしたことで、お取引をしている企業様からも社員の「環境意識が高まった」とお喜びの声をいただくことも少なくありません。
特に、物流業、運送業の社員さんは出入りが激しいようですが、カーボンオフセットのタグや、織ネームにより、燃費を気にするようになり、無駄なアイドリングや急発進急加速もなくなりデジタルタコメーターによる運行管理もしやすくなって、定着率UPにも繋がっていますとの声も頂きました。
それにより、事故件数も減り、保険料が安くなり、環境対策を取り入れた低炭素型トラック、ハイブリットシステムトラックの導入に投資することができると言われました。
当社に福島県出身の女性社員が数名いることもあり、福島県の復興への願いも込めて現在は「福島県森林植林のJ-クレジット制度」を利用しております。
森林整備を通じて、ユニフォームをご購入いただいたお客様とクレジット創出者との間に持続可能なストーリーを育んで参ります。
このようにカーボンオフセット付ユニフォームはSDGsを達成するための具体策でもあります。

弊社では持続可能な開発目標に9つのゴールを掲げ、お客様、仕入先様にご協力をいただきながら目標達成に向けて邁進しております。

直近では、カーボンオフセット付ユニフォームと併用してLGBTジェンダー問題への対応にも取り組んでおります。
つまり、性別を問わず着用できるユニフォームの開発です。
きっかけは、長年お取り引きさせていただいている最大手ドラッグストア様からのご要望でしたが、ジェンダーレス対応のデザイン、サイズを展開しております。
また、既存のユニフォームを廃棄する場合には、単に焼却処理せず焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用するサーマルリサイクルプランも含めてご提案させていただきましたところ
環境SDGs対応のユニフォームが採用され、今年4月から全国で着用されております。
もちろん、J-クレジット制度を活用したカーボンオフセット付ユニフォームであり、全国の薬剤師さん、登録販売者さん、一般従業員さん、パートさんにも環境SDGsを意識していただいております。

私どものものづくりは、お客様の描く“未来”を具体化する作業です。
「環境を守りたい」「安心して仕事がしたい」「現場を明るくしたい」「従業員の社会的地位を向上させたい」などと言った、「未来をこうしたい」と言う想いを形にする仕事です。
だからこそ、J-クレジット制度を活用し将来の地球環境を考えながら、お客様とも、従業員とも、仕入先様とも未来を語り合える会社でありたい。
持続可能な幸福を目指したい!!決して綺麗ごとではなく、実際行動し、心底そう思うのであります。
思い描く“未来”へ一歩踏み出すためにも、J-クレジット制度を利用したカーボンオフセット付ユニフォームをこれからも社員一丸となって取り組んでいきたいと思います。

最後になりましたが、世界で起きている環境問題は、地球温暖化、海洋汚染、水質汚染、大気汚染、森林破壊など自然環境は深刻化しており、国連が採択したSDGsをはじめ、サステナビリティへの取り組みが求められています。
私達企業が環境問題に目を向け、何か一つでも今できる事に取り組むことこそ、企業価値の向上にもつながり、サステナブルな社会を実現にできると確信しております。
本日は、皆さま月末近くのご多忙の中、ご清聴頂きましてありがとうございました。